バショウの群開に遭遇

昨日、病院への道すがら、道路脇でバショウ(Musa basjoo)の群開風景を見かけたので、帰りに車を停めてゆっくり写真を撮ってきた。私もこれまで各地でバショウを見てきたが、こんな素晴らしい群生株のサンプルは初めてだった。7~8本開花しており、しかもまだ苞だけの状態から、咲き始め、咲き進んだ花房、結実状態までが連続して見られ、正に生きた教材で私は大喜び。大体、普通のバショウは夏に一気に生育して10~11月頃花を出し。小さいバナナが房状になった状態で冬を迎え、寒さで傷んでその房が枯れるというパターンなのだ。だから今の時期咲いているのは極めて珍しく、しかもステージの違う花房がいくつもあるということは、自家受精可能なら、確実に結実するパターンなのだ。この状態なら11月頃には実が熟して収穫出来るのではないかということだ。ただし、私がバショウの実にこだわるようになったのは、20年も昔、ヨーロッパのバナナ愛好家から、バショウの種が欲しいと頼まれたからで、その時の前置きとして、ヨーロッパのバショウ、多分シーボルトが持ち帰った株は1クローンで種が採れないと言われたからだ。バショウは1株では結実しないんだとその時理解し、複数クローンを栽培している所でないと種の入った完熟果実は収穫できないのだと思い込んだ。実際、近在のバショウも寒さで傷まなくても、稔ったように見えた果実は時を経ずして落ちてしまうのが常なのだ。普通のバナナ品種は未受精でバナナが収穫出来るが、原種であるバショウは種が出来ている果実でないと完熟まで行かないのだ。だから新宿御苑で種のあるバショウが収穫出来たと聞いた時は、大喜びでその果実を送ってもらい、完熟させて最高に美味しい味を堪能させてもらった。その実生苗が園内に2株植えてあるが、風の強い中庭でもあり、なかなか思うようには育ってくれない。
ただ、このブログを始めて間もない頃、長野の方からのメールで伊那の駅に植えてあるバショウは1クローンで毎年結実していますよという報。ワニ園本園の山の中にあるバショウも1クローンのはずだが、木の下に自然実生があって、間もなく開花サイズになろうかという勢いで育っている。1花房では無理でも数花房同時に咲けば、雌雄蕊が同時に熟して受精するようなのだ。
だから、上記伊豆高原の群生株が、秋に完熟果を収穫できるかどうかは、バショウが自家受精するか否かを検証する最高のサンプルなのだ。幸い、この現場のすぐ上に当園のスタッフが住んでいるので、彼に今後の様子を見守って貰えば、自ずと経過観察ができるので、その点からも最高の立地なのだ。さー、面白くなってきたぞ!!
ちなみに、バショウとバナナの違いをご存知ない方にバショウの特徴を列記すると、1.苞が黄色いこと。(バナナは紫色。)2.葉の裏に白い粉、ワックスが無い。3.ランナーで殖える。(バナナは株分かれする。)4.寒さに強い。山形にも栽培記録がある。逆に九州以南には見られない。(沖縄で言うバショウはイトバショウ(M.balbisiana)のことで別種)。最後にバショウの果実は完熟させると、世界一美味しいと言われる沖縄の島バナナ以上の美味しさかも。でもこれを知っているのは、世界でも私を含め数人ではないだろうか。
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