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zoom RSS つわものどもが夢の跡

<<   作成日時 : 2018/05/24 18:49   >>

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昨日、どうしても見たい植物があって伊豆稲取のアニマルキングダムを訪れた。友の会会報の次号でススキノキの記事を出すので、かつてここに植えた株の現状を確認してきたのだ。私は1974年の4月から1977年の10月まで、ここ旧バイオパークの準備段階に農大側のスタッフとして働き、メキシコ地区には大きなサボテンを植えたロックガーデンを造成したのだ。ススキノキは勿論オーストラリアの植物だから、オーストラリア地区の一番良い場所に開花株を植え、周囲にはユーカリやテロペア、バンクシア、キンポウジュ、ギョリュウバイ、メラリューカなど、オーストラリアの花木を植えて、それらしい景観を目指した。財団法人進化生物学研究所の理事長で、この公園を企画した農大名誉教授近藤典生先生のマスタープランにのっとり、私も青春時代の数年間をその夢に賭けたのだ。結果的に自然に勝てない事を知った私は、1977年10月バイオパークのオープンを潮時として、この現場と農大を離れ、現在のワニ園に職を得たのだ。無理をして植えたサボテンは数年で見る影もなくなったであろうことは想像に難くなかったが、私はその後20年位は、そこを再訪することもなかった。ただその再訪時、当時植えたススキノキ(Xanthorrhoea quadrangulata)だけが2株残っていて嬉しかったのを覚えている。そしてまた時が経って、次に訪ねたのは7〜8年前だったろうか。姪の家族が泊まりに来たので、動物を見せにアニマルキングダムに遊びに行ったのである。その時、ススキノキが1株だけ残っており、通路沿いの一等地で見事な群生株になっていたのである。この時はうれしかった。そして昨日は、その株の現状を確認に行ったのである。株は確かに立派になっていた。多分5頭株になっており、メインの2頭は幹丈1.5m、だから葉を入れると2.5m近くある。次1本が1m、残りの2本が50cmでほぼワニ園サイズ。株の拡がりは3.5m x 3m位だろうか。周囲の草刈りはコンスタントにされているようだが、この株の古葉を切った形跡は一切ない。別に古葉を切らないからどうのというのではないが、問題は背後の藪で大きくなった栗の木が枝を広げて、この株の頭に被い被さっていることなのだ。もう1シーズン放置すれば、この株が栗の枝に覆われて、生命の危機を迎えかねない状態なのだ。情けない! 日本一のススキノキ、樹齢70年以上と思われるこの株の価値を理解するスタッフが一人もいない現状に涙が出る思いだった。折角だからと私が手がけたロックガーデンの跡地も見て来たが、当時私が植えたアガベの吉祥天(Agave parry var. huachuchensis)が2株、ダシリリオンの白い株、多分グラウコフィルム系(Dasylirilon glaucophyllum)で、シャボテン公園から苗を持ち込み植えた株が数本、私がメキシコのテウアカンで採集して持ち帰った幹高1mほどのダシリリオン・ルシダム(D.lucidum)が1株と、もう1つシャボテン公園由来の細葉のダシリリオン(D.sp.)も幹丈1mほどのが1株あった。開園以来41年を経ても枯れずに生き残っていたのである。南米地区に行くと、これもシャボテン公園から持ち込んだ赤葉のディッキア(Dyckia hybrid?)が大群生になって花が満開であった。まさしく夏草やつわものどもが夢の跡だ。因みにススキノキはススキニキ科、ダシリリオンは現在キジカクシ科に分類される。ディッキアはブラジル原産でパイナップル科だ。
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